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第49回放送 特集「作詞家・有馬三恵子の世界」

第49回放送 特集「作詞家・有馬三恵子の世界」

<2019.12.15 OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

2019年最後の放送では、今年4月に急逝された作詞家・有馬三恵子さんの世界を、ご長女の斎藤るみ子さん(オフィスアリマ代表)とともにお届けしました。
その有馬さんは1935年、山口県生まれ。中学時代はヘルマン・ヘッセや夏目漱石などを読む文学少女で、高校時代は演劇部にも所属していました。女子美術大学短期大学の服飾科を卒業したのち、作曲家の鈴木淳さんと結婚。一人娘のるみ子さんを授かったのち、夫婦で共作した「小指の想い出」(67年)が大ヒット。鈴木さんとは70年に離婚されますが、有馬さんはその後も多くのヒット曲を送り出します。広島東洋カープの熱烈なファンで球団歌の作詞を手がける一方、画でも賞を受賞するなど、芸術的な才能を発揮されました。
番組では今年10月にリリースされた47曲収録の3枚組CD『有馬三恵子作品集 1967-2017 la vie d’une paroliere』(SOLID RECORDS)に収められた代表作を中心に、その偉大な足跡と、素顔の有馬さんについて斎藤さんと語り合いました。


01.「小指の想い出」伊東ゆかり(1967)
作詞:有馬三恵子 作曲:鈴木 淳 編曲:森岡賢一郎
“作詞家・有馬三恵子”の出世作。発売時19歳だった伊東ゆかりは「あなたが噛んだ 小指が痛い」というセクシーなフレーズとともに、カバーポップスからアダルト歌謡の歌い手に転向を果たしました。作曲は当時、有馬さんの夫だった鈴木 淳。オリコンが集計を開始する前年発売のため、チャート上の記録は最高44位ですが、67年を代表するヒットとなった本作は伊東に日本レコード大賞歌唱賞をもたらしました。

BGM.「色づく街」南 沙織(1973)
作詞:有馬三恵子 作曲・編曲:筒美京平
今年10月に発売された『有馬三恵子作品集』には有馬さんが多くの作詞を手がけた南 沙織の歌唱曲が4曲収録されていますが、4作目のシングルとしてリリースされたこの曲もその1つ。等身大の感性や季節感を打ち出した有馬さんの詞世界はその後のアイドルポップスのフォーマットとなりますが、秋の街を舞台に少女の感傷を描いた本作は代表的な作品といえましょう。オリコン最高4位をマークし、82年には三田寛子が3作目のシングルとしてカバーしました。

02.「17才」南 沙織(1971)
作詞:有馬三恵子 作曲・編曲:筒美京平
当初“南 陽子”という芸名で売り出すことが決まっていた内間明美(本名)を見て「“沙織”か“沙羅”の方が彼女のイメージに合う」と言った有馬さん。その閃きがシンシア伝説の始まりとなりました。南がスタッフの前で歌った「ローズ・ガーデン」(リン・アンダーソン/70年)をモチーフに制作された本作はオリコン2位の大ヒットを記録。少女の日常を私小説的に描いた有馬さんの世界観はその後、多くの女性アイドルに引き継がれていきます。

03.「17才」森高千里(1989)
作詞:有馬三恵子 作曲:筒美京平 編曲:斉藤英夫
オリジナル盤のヒットから18年後、平成元年にリリースされた森高千里の7thシングル。当時は薬師丸ひろ子「時代」(オリジナル:中島みゆき/75年)、斉藤由貴「夢の中へ」(オリジナル:井上陽水/73年)、小泉今日子「学園天国」(オリジナル:フィンガー5/74年)など、70年代の邦楽をカバーした楽曲が次々とTOP10入りを果たしていましたが、本作もオリコン8位をマークし、森高初のヒットシングルとなりました。

04. 「ふるさとの雨」南 沙織(1971)
作詞:有馬三恵子 作曲・編曲:筒美京平
有馬さんの作品は時代を超えてカバーされ、しかもリバイバルヒットを記録するケースが多々あります。本作はもともと南の1stアルバム『17才』に収録されたシャッフル系のマイナーチューン。アルバムはオリコン8位をマークするヒットとなりますが、同曲に再び光を当てたのは、当時、南のマネージャーを務めていた小口健二氏でした。

05.「彼が初恋」石野真子(1980)
作詞:有馬三恵子 作曲:筒美京平 編曲:矢野立美
南の「ふるさとの雨」から9年後、事務所の後輩にあたる石野真子が改題してカバーした11thシングル。間奏ではオリジナル盤にない台詞が書き加えられています。のちにフロム・ファーストプロダクションを設立する小口健二氏は当時石野のマネージャーで「『ふるさとの雨』のような曲を石野にも歌わせたい」との思いから本作のカバーが実現したといいます。有馬さんは前作「めまい」や「思いっきりサンバ」、「彩りの季節」などを石野に提供していますが、本作はオリコン22位をマークしています。

BGM.「忘れるものか」石原裕次郎(1968)
作詞:有馬三恵子 作曲:鈴木 淳 編曲:小野崎孝輔
1959年に作曲家の鈴木 淳と結婚した有馬さんは夫婦共作で数多くの作品を生み出しました。最初のヒットは伊東ゆかり「小指の想い出」(67年)ですが、その後も夫婦で伊東ゆかり「朝のくちづけ」(68年/オリコン最高6位)、小川知子「初恋のひと」(69年/同4位)などのヒット曲を連発。大スター・石原裕次郎に提供した本作もオリコン20位まで上昇するロングセラーとなり、男心も描ける作詞家であることを知らしめました。


06.「わるい誘惑」郷ひろみ(1974)
作詞:有馬三恵子 作曲:筒美京平 編曲:森岡賢一郎
10月発売の『有馬三恵子作品集』にエグゼクティブ・プロデューサーとして関わった酒井政利氏は、南 沙織プロジェクト以外にも、金井克子、奈良富士子、優雅、ジュディ・オング、梓みちよなど、多くの担当アーティストで有馬さんと仕事をしています。デビュー時から酒井氏がプロデュースしていた郷ひろみでは11thシングルの本作が初提供。年上の女性から恋の手ほどきを受ける少年の心情を巧みに描き、オリコン5位のヒットに結びつけました。

07.「季節風」野口五郎(1977)
作詞:有馬三恵子 作曲・編曲:筒美京平
新御三家すべてに詞を提供している有馬さんですが(西城秀樹に対してはアルバム曲のみ)、本作は野口が主演した同名青春映画の主題歌に起用された11thシングル。心に傷を持つナイーブな青年の恋心を映画のテーマに即して文学的に表現し、オリコン4位をマークするヒットとなりました。

BGM.「他人の関係 feat.SOIL&“PIMP”SESSIONS」一青 窈(2014)
作詞:有馬三恵子 作曲:川口 真 編曲:SOIL&“PIMP”SESSIONS
リバイバルヒットを数多く持つ有馬さんですが、最近の例でいうとやはりこの曲。73年に金井克子が大ヒットさせたナンバーをジャズバンド「SOIL & “PIMP”SESSIONS」が大胆なアレンジを施し、平成の世に甦らせました。のちに映画化もされた連続ドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち』(フジテレビ系)の主題歌に起用され、オリコン55位のスマッシュヒットを記録しています。

08.「かえらない夏」倍賞千恵子(2017)
作詞:有馬三恵子 作曲:上田知華 編曲:小六禮次郎
ゲストの斎藤るみ子さんによると、有馬さんには多くの未発表詞が残されているそうですが、今のところの最新作は2017年に倍賞千恵子がシングル発売した本作。作曲は上田知華、アレンジとピアノ演奏は倍賞の夫君・小六禮次郎が担当しており、どこか懐かしく、温かい気持ちになれる叙情歌が誕生しました。

09.「それ行けカープ(若き鯉たち)」塩見大治郎(1975)
作詞:有馬三恵子 作曲・編曲:宮崎尚志
広島東洋カープの熱烈なファンとして知られる有馬さんは複数の応援ソングを作詞しています。赤ヘル旋風が吹き荒れ、悲願のリーグ初優勝を果たした75年にリリースされた本作は球団歌としてオリコン68位をマーク。10月発売の『有馬三恵子作品集』には本作と、やはりカープファンの富永一朗が歌う「ゴーゴーカープ」(75年/作曲・編曲:菊池俊輔)の2曲の関連曲が収録されています。

《イントロクイズ解答》

 

 

 

 

「純潔」南 沙織

 

 

 

 

「初恋のひと」小川知子

 

 

 

 

「他人の関係」金井克子

 

 

 

 

「積木の部屋」布施 明

 

 

 

 

「港の別れ唄」内山田 洋とクールファイブ

 

<Informationコーナー>
11月27日発売 前田憲男『マエストロ・ワークス』
2018年11月に他界した前田憲男の作品集。作曲家・編曲家・ピアニストとして、膨大な楽曲を手がけた前田さんですが、今回はクールなジャズからオシャレにアレンジされたポップス、エンターテイメント性に溢れたテレビ番組のテーマ曲まで、バラエティに富んだ作品を2枚のCDにセレクト。ボーナストラックには本人がユーモアを交えて語るアレンジ術の極意を収録しています。音楽界の巨匠の多面的な魅力を堪能できる待望の企画といえるでしょう。

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