トップページ ラジオ 歌謡ラジオ「午前0時の歌謡祭」 第52回放送 「音楽プロデューサー・田村充義を迎えて(後篇)」

第52回放送 「音楽プロデューサー・田村充義を迎えて(後篇)」

第52回放送 「音楽プロデューサー・田村充義を迎えて(後篇)」

<2020.3.22 OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

ビクターの制作ディレクターからフリーの音楽プロデューサーに転じ、40年以上にわたってヒットメーカーとして活躍されている田村充義さんをゲストにお迎えしての第二夜。前篇では田村さんが昭和期(~88年)に手がけた作品をご紹介しましたが、後篇では平成から令和にかけて担当されたアーティストや楽曲、さらには珍盤・レア盤に関する貴重なお話をヒット曲とともにお届けしました。
現在、音楽制作会社「田村制作所」の代表を務める田村さんは、デビュー以来、プロデュースを続けている広瀬香美やポルノグラフィティのほかにも、インディーズで活動しているMALLIKA(東京藝術大学出身。国内外で数多くの舞台経験を積む本格派クラシック演奏家でありながら、歌い、踊りながらヴァイオリンを演奏するポップアーティストとして、SNSや配信サイト等で人気を集める)や卒業☆星(アイドルグループを卒業したメンバーで構成されるダンス&ボーカルユニット。総合プロデューサーは井上ヨシマサ)の制作にも携わるなど、多忙な日々を送られています。


01.「Fade Out(Short Version)」小泉今日子(1989)
作詞・作曲・編曲:近田春夫
当時流行のハウスミュージックと歌謡曲の融合を図った実験的アルバム『KOIZUMI IN THE HOUSE』(89年)からの先行シングルで、オリコン2位をマークしました。田村さんは小泉の希望もあって、かねてより交流のあった近田春夫にオファー。同アルバムに5曲提供された作品のうち、詞・メロディ・サウンド・歌唱のバランスがよかった本作をリカットしたそうです。今回は未CD化のShort Version(7インチアナログ盤のみに収録)をお届けしました。

BGM.「優しい雨」小泉今日子(1993)
作詞:小泉今日子 作曲:鈴木祥子 編曲:白井良明(ホーン:武川雅寛)
本人出演の連続ドラマ『愛するということ』(TBS系)の主題歌に起用されたスローバラード。オリコン2位ながらミリオンに迫るヒットを記録し、小泉が大人の恋愛も表演できるアーティストに成長したことを知らしめる楽曲となりました。作曲を手がけた鈴木祥子も同年発売のシングルのカップリングで本作をセルフカバーしています。

02.「あなたに会えてよかった」小泉今日子(1991)
作詞:小泉今日子 作曲・編曲:小林武史
オリコン1位を5週獲得し、女性ソロアイドル初のミリオンを突破したキョンキョン最大のヒットシングル。本人出演の連続ドラマ『パパとなっちゃん』(TBS系)の主題歌で、日本レコード大賞では「優秀作品賞」「作詩賞」「編曲賞」を受賞しました。小泉は85年発売のアルバム『Flapper』に収録された「Someday」以降、作詞を手がけるようになりますが、その才能を見出し、作詞を勧めたのが田村さんでした。

BGM.「替え唄メドレー」嘉門達夫(1991)
脚色:嘉門達夫 編曲:新田一郎
スペクトラムの楽曲をディレクションして以来、新田一郎と交流があった田村さんは、新田が代表を務めていた代官山プロダクション所属のアーティストを複数担当。嘉門達夫(現・嘉門タツオ)もその1人でした。プロデュースするにあたって田村さんは嘉門の持ちネタから、あえて実現のハードルが高い「替え唄メドレー」をCD化することを提案。関係各所の許諾を得る作業は難航を極めますが、その甲斐あってオリコン9位まで上昇する大ヒットとなりました。

03.「替え唄メドレー3(完結編)」嘉門達夫(1992)
脚色:嘉門達夫 編曲:新田一郎
類例のない企画で爆発的な人気を集めた「替え唄メドレー」シリーズは、第2弾(91年)がオリコン4位、第3弾の本作が同3位をマークするなど大ヒットを連発。嘉門は92年に「替え唄メドレー~紅白バージョン」で紅白歌合戦に初出場を果たし、93年には日本武道館で単独公演を成功させるなど、一躍時代の寵児となりました。本作では「替え唄」以外に、似た曲を繋げて聴かせる「歌が変わるコーナー」も設けられています。

BGM.「奥方宣言」渋谷岩子(1979)
作詞・作曲・編曲:渋谷岩子
後篇では平成以降に田村さんが手がけた楽曲意外に、珍盤・レア盤と思われる企画職の強い作品もご紹介しました。本作は79年にミリオンヒットを記録した「関白宣言」(さだまさし)にあやかって制作されたアンサーソング。歌う渋谷はある音楽評論家のアシスタントをしていた人物で、本家のさだ同様にバイオリンも弾けることから白羽の矢が立てられたと言います。

04. 「きみの朝」渋谷岩子(1979)
作詞:岡本おさみ 作曲:岸田智史 編曲:渋谷岩子
「奥方宣言」のB面に収録された本作は79年に大ヒットした岸田智史の代表曲を効果音のみでカバーした異色作。サビの「モーニング モーニング」をうがいの音で聴かせるアイデアは抱腹絶倒間違いなし。田村さんはこの曲を面白がった本家の岸田が、自身のラジオ番組で紹介してくれたことが嬉しかったそうです。

05.「目蒲線物語」おおくぼ良太(1983)
作詞・作曲:おおくぼ良太 編曲:高田 弘
山田邦子の楽曲をヒットさせた実績のある田村さんのもとには、歌わせたら面白そうな芸人の情報が持ち込まれるようになり、そこから多くのコミックソングやノベルティソングが誕生します。ボードビリアンであるおおくぼ良太が歌って話題となった本作はテレビで彼を観た営業所からの推薦がきっかけ。デビュー後は「シンガーソング・コメディアン」として数々の面白ソングを発表しますが、レコード制作基準倫理委員会(レコ倫)の審査を通らず、お蔵入りになった作品もあったといいます。

06.「さらばルバング」女探検隊(1985)
作詞:秋元 康 作曲・編曲:佐久間正英
テレビ朝日系『水曜スペシャル』内「女探検隊シリーズ」のテーマソング。同コーナーに出演していた女性探検隊のメンバー7人による軍歌調のナンバーです。本作は放送作家でもある秋元 康から相談されたことがきっかけで誕生したそうですが、田村さんは秋元が作詞を手がけた小泉今日子「午後のヒルサイドテラス」(83年/「まっ赤な女の子」B面)以来、とんねるずでも仕事をするなど日頃から交流がありました。また作曲・編曲を担当した佐久間正英とも「まっ赤な女の子」のアレンジを依頼して以来、様々な作品で仕事をしています。

BGM.「愛があれば大丈夫」広瀬香美(1992)
作詞・作曲:広瀬香美 編曲:鷺巣詩郎
小泉今日子の主演映画『病は気から 病院へ行こう2』(92年)の主題歌に起用され、オリコン42位のスマッシュヒットを記録した1stシングル。知人を介して広瀬を紹介された田村さんはその才能に着目するも、書きためた曲の多くがバラードだったため、デビューまでに約1年かけてアップテンポなポップスを準備したといいます。本作より5ヶ月早くリリースされたデビューアルバム『Bingo!』は業界内で高い評価を受け、ブレイクへの足掛かりとなりました。

07.「ロマンスの神様」広瀬香美(1993)
作詞・作曲:広瀬香美 編曲:広瀬香美、小西貴雄
アルペンのCMに起用され、オリコン1位を獲得した3rdシングル。ダブルミリオンに迫る特大ヒットとなり、“冬の女王”と呼ばれるきっかけを作りました。田村さんは、サザンオールスターズが3rdシングル「いとしのエリー」(79年)で評価を確立したため、3作目を重視しているそうですが、広瀬の場合は見事にそのジンクスがはまりました。今年でデビュー28年となる彼女ですが、田村さんへの信頼は厚く、現在も2人3脚で制作を続けています。

BGM.「アポロ」ポルノグラフィティ(1999)
作詞:ハルイチ 作曲・編曲:ak.homma
TBS系バラエティ『ここがヘンだよ日本人』のエンディングテーマに採用され、オリコン5位を獲得したデビューシングル。田村さんは彼らの所属事務所アミューズからの要請で、曲づくりのサポートをするようになり、以後、現在まで20年以上にわたって彼らの制作に関わり続けています。当時すでに20年以上のキャリアがあった田村さんですが、意外にもTOP10入りしたデビュー曲は本作が初めてだったそうです。

08.「サウダージ」ポルノグラフィティ(2000)
作詞:ハルイチ 作曲:シラタマ 編曲:ak.homma
彼らにとって初のオリコン1位を獲得したラテン調の4thシングル。大塚製薬「ポカリスエット」CMやTBS系バラエティ『ワンダフル』など、複数のタイアップが付き、自身最大のヒットを記録しました。初出場を果たした紅白歌合戦でも歌唱されています。

09.「おかえりなさい」坂本真綾(2011)
作詞:坂本真綾 作曲:松任谷由実 編曲:森 俊之
テレビアニメ『たまゆら~hitotose~』のオープニングテーマに起用された20thシングル。坂本真綾は96年のデビュー以来、菅野よう子がプロデュースしていましたが、12thシングル「ループ」(05年)より田村さんが担当し、多くのヒットを放ちました。坂本は多くのアニソンを歌っていますが、田村さんは10年ほど前より世界的なマーケットに広がったアニソンの力を実感しているといいます。ユーミンが作曲を手がけた本作はオリコン8位をマークしました。

10.「Happy End」卒業☆星(2020)
作詞:井上ヨシマサ、川咲さくら 作曲・編曲:井上ヨシマサ
一度アイドルを卒業したメンバーによるダンス&ボーカルユニットの3rdシングル。同プロジェクトの総合プロデューサーを務める井上ヨシマサは、81年デビューのコスミック・インベンション以来、田村さんと親交があるため、そのつながりから制作のサポートをされているとのことです。

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