トップページ ラジオ 歌謡ラジオ「午前0時の歌謡祭」 第57回放送 「ソロデビューから50年! 尾崎紀世彦の魅力を探る 」

第57回放送 「ソロデビューから50年! 尾崎紀世彦の魅力を探る 」

第57回放送 「ソロデビューから50年! 尾崎紀世彦の魅力を探る 」

<2020.8.16 OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

日本の音楽界屈指のボーカリストとして知られる尾崎紀世彦さんは1943年生まれ。ハワイアンやウエスタン(カントリー)のバンドを経て、67年にボーカルグループ「ザ・ワンダース」に参加し、70年8月「別れの夜明け」でソロデビューを果たします。抜群の声量と艶のあるボーカルで注目された尾崎さんは2ndシングル「また逢う日まで」(71年)で日本レコード大賞と日本歌謡大賞をダブル受賞。その後も比類なき歌唱力で万人を魅了しますが、2012年、69歳の若さで旅立たれました。
番組ではソロデビューからちょうど50年にあたる8月に特集を組むことを企画。ゲストに、歌手・尾崎紀世彦のことを誰よりもよくご存じである音楽プロデューサーの小栗俊雄さんをお迎えして、不世出の歌手の魅力を探りました。その小栗さんはコーラスグループ「ザ・タドポールス」を経て、尾崎さん、朝 紘一(朝コータロー)さんとともに「ザ・ワンダース」を結成。グループ解散後はTBS系の音楽出版社「日音」に入社し、原盤制作ディレクターとして、尾崎さんの楽曲制作に約5年間、携わられました。
今回、小栗さんに対し、多くのリスナー様から尾崎さんに関する質問が寄せられましたが、時間の制約上、番組内ではすべてをご紹介できませんでした。放送に乗せられなかったものについてはこちらに要約を記載いたしますので、ご参照いただければ幸いです。

(Q1)ザ・ワンダース時代にレコーディングした軍歌を聴きたい。なんとかCD化できないものか?
(A1)海軍士官の格好をして写真を撮った記憶はあるが、軍歌を歌ったどうか思い出せない。もしかしたら番組の企画で歌ったことがあるかもしれない。

(Q2)ザ・ワンダースのメンバーでケンカをしたことはあるか?
(A2)声を合わせるボーカルグループということもあり、音楽面でケンカをしたことはしょっちゅう。但し、制作現場での衝突であって、翌日まで持ち越すようなことはなかった。

(Q3)ザ・ワンダースはテレビの主題歌やCMソングをたくさん歌っているが、今でも思い出すと大笑いするエピソードはあるか?
(A3)レコーディングの現場は作家の先生やクライアントが立ち会うことが多く、キャリアの浅い自分たちが大笑いするような場面はなかった。ただ、ジャケット撮影の前に茅ヶ崎の尾崎の家に遊びに行って、日焼けしすぎて怒られたことは懐かしい想い出。

(Q4)「また逢う日まで」にはザ・ワンダースがコーラスを担当したシングルバージョン以外に、女声コーラスの別バージョンがある。これはどういう経緯でレコーディングされたのか?
(A4)女声コーラスでレコーディングした記憶がない。日音が与り知らぬところで制作されたのではないか。

(Q5)尾崎さんは英語が堪能だったようだが、昔からそうだったのか?
(A5)ザ・ワンダース時代は、外国人と流暢に会話をしていた記憶がなく、英語に堪能という印象もない。ただ歌の発音に関しては、英語圏の人たちから褒められていた。

(Q6)歌に対して厳しく、1音でも外したら気にするタイプと聞いたが、小栗さんもそう思ったか?
(A6)ザ・ワンダース時代は僕と朝の方がコーラスに関しては先輩だったし、ディレクター時代はこちらが指摘する立場にあったので、あまりそういう印象はない。その後キャリアを重ねる中で、そうなっていったのではないか。彼はもともと音程がよかったし、感情表現も天性のものがあったので、レコーディングで細かいことを言った記憶はない。


01.「別れの夜明け」尾崎紀世彦(1970)
作詞:山上路夫 作曲・編曲:筒美京平
70年8月25日にフィリップスレコードからリリースされたソロデビュー曲はカンツォーネ風のミドルバラード。ダイナミックな歌唱で「大型新人登場」と注目を浴びますが、残念ながら大きなヒットには結びつきませんでした。プロデューサーはのちに日音の社長・会長を歴任した故・村上 司。小栗さんはレコード会社のディレクターである本城和治氏(多くのGSバンドや、森山良子、長谷川きよしを世に出した名プロデューサー)とともに制作ディレクターを務めました。

BGM.「ウルトラセブンの歌」ジ・エコーズ、みすず児童合唱団(1967)
作詞:東 京一 作曲・編曲:冬木 透
日音の契約アーティスト第1号となったザ・ワンダースは、親会社であるTBS系を中心に番組テーマ曲やアニソン、CMソングなどを多数レコーディング。特撮番組『ウルトラセブン』(67~68年)の主題歌となった本作もその1つですが、音盤が複数のレコード会社からリリースされることになったため、彼らが当時所属していたテイチクとの契約上、「ジ・エコーズ」名義で歌唱しています。ファンの間ではよく知られたことですが、歌い出しのコーラスは最初の「セブン」が朝さん、2番目が小栗さん、3番目が尾崎さん。今回は挿入歌の「URTLA SEVEN」もBGMでおかけしました。(本ジャケットは78年にコロムビアから発売されたEP盤)

02.「とべよ!エンゼル」ザ・ワンダース(1968)
作詞:吉田 央 作曲・編曲:筒美京平
ザ・ワンダース時代の楽曲にも多くのリクエストをいただきましたが、本作は5thシングル「キャプテン・スカーレット」のB面収録曲。英国の特撮SF人形劇『キャプテン・スカーレット』(日本では68年にTBS系で初放送)の日本語版イメージソングです。小栗さん自身もお気に入りの曲で、のちにディレクターとして密度の濃い仕事をすることになる筒美京平の職人技が光る作品ということでセレクトいたしました。

03.「ウルトラセブンの歌」ザ・ワンダース(2010)
作詞:東 京一 作曲・編曲:冬木 透
格調高いオーケストラサウンドと重厚なコーラスで聴く者を魅了してやまない「ウルトラセブンの歌」ですが、2010年に仙台放送の企画で再レコーディングされました。セブンファンのスタッフの熱意によって再結成を果たしたザ・ワンダースの3人は、オリジナルカラオケをバックに43年ぶりの名コーラスを披露。レコーディングは仙台で行なわれ、尾崎さんたちはNHK仙台少年少女合唱隊の子供たちとの交流も楽しみました。本作は仙台放送の特別企画DVD『懐かしのせんだい・みやぎ映像集 続・昭和の情景』に付属したCDに収録されています。

BGM.「おす犬」尾崎紀世彦(1970)
作詞:山上路夫 作曲・編曲:筒美京平
デビューシングル「別れの夜明け」のB面に収録された本作は、尾崎さんのソウルフルなボーカルとグルーヴ感溢れるファンキーなサウンドが堪能できる佳曲。自分を捨てた女性に対する狂おしいまでの思慕を綴った歌詞は当時としては過激でしたが、歌い手の品格によって男の弱さや情けなさが伝わる仕上がりとなっています。

04.「LOVERS & FOOLS(「また逢う日まで」英語Ver.)」尾崎紀世彦(1972)
英語詞:Norman Simon 作曲・編曲:筒美京平
尾崎さんの代表曲「また逢う日まで」は、70年にズー・ニー・ヴーの歌唱でリリースされた「ひとりの悲しみ」の改詞・改題バージョン。もともと三洋電機のCM用に書かれた曲でしたから「三度目の正直」で大ヒットしたことになります。本作の出版権を持つ日音の村上は「これこそが尾崎にベストマッチした曲」という確信のもと、「ひとりの~」の作詞を手がけた阿久 悠に別の詞を用意することを懇願。その情熱がオリコン9週連続1位という特大ヒットに繋がりました。今回はリクエストにお応えし、72年にシングル化された英語バージョンをお届けしました。

05.「さよならをもう一度」尾崎紀世彦(1971)
作詞:阿久 悠 作曲・編曲:川口 真
「また逢う日まで」で大ブレイクした尾崎さんの3rdシングル。同日発売の2ndアルバムにも収録されていますが、シングルもアルバムもオリコン最高2位をマークしました。作曲・編曲を手がけた川口 真は60年代後半からアレンジャーとして頭角を現し、当時は「人形の家」(69年/弘田三枝子)や「手紙」(70年/由紀さおり)など、作曲家としてもヒットを連発。尾崎さんとは本作が初顔合わせでしたが、稀代のボーカリストの持ち味を遺憾なく引き出し、連続ヒットに導きました。

BGM.「こころの炎燃やしただけで」尾崎紀世彦(1972)
作詞:なぎはるお 作曲・編曲:筒美京平
合同酒精のワイン「ハチ・マキシム」のCMに起用された8thシングル。わずか2分10数秒の尺ながら、一篇の映画を観たような気分にさせるドラマチックな尾崎節が味わえます。シングルは72年の紅白歌合戦で披露された「ゴッドファーザー~愛のテーマ」と両A面扱いで、オリコン9位のヒットを記録しました。

06.「太陽は燃えている(Love Me With All Of Your Heart)」尾崎紀世彦(1971)
英語詞:Michael Vaughn 作曲:Carlos Rigual、Carlos Alberto Martinoli 編曲:前田憲男
1stアルバム収録曲。原曲はキューバ出身のボーカルトリオ「ロス・エルマノス・リグアル」が57年に発表したラテンナンバーで、その後、レイ・チャールズ・シンガースやマントバーニー楽団などがカバー。日本では英国の人気歌手、エンゲルベルト・フンパーティングが英詞を付けて歌ったバージョンが知られています。尾崎さんは日本人離れした歌唱力で、トム・ジョーンズやフンパーティングの歌を数多くカバーしていますが、本作もその1つ。当時ディレクターを務めていた小栗さんは「本家を凌ぐ出来栄えの曲がいくつもあった」と証言してくださいました。

07.「しのび逢い」尾崎紀世彦(1973)
作詞:阿久 悠 作曲・編曲:筒美京平
一流作家陣による作品の完成度と卓越したボーカルで高い評価を受けていた尾崎さんですが、それが必ずしもヒットに直結しないところがポピュラー音楽の難しいところ。ソロデビュー4年目にリリースされた10thシングルの本作もオリコン最高30位にとどまり、セールスの翳りを食い止めることはできませんでした。とはいえ音楽ファンの人気は高く、今回も複数のリクエストを集めるなど「記憶に残る作品」となっています。

BGM.「ぐいぐい走れ仙石線」ザ・ワンダース(2010)
作詞:藤 公之介 作曲・編曲:冬木 透
昭和30~40年代の仙台や宮城県内の懐かしい映像が収められたDVD企画『懐かしのせんだい・みやぎ映像集 続・昭和の情景』のために制作されたオリジナルエンディングテーマ。作曲・編曲は「ウルトラセブンの歌」の冬木 透、作詞は宮城県塩竃市出身の藤 公之介が手がけています。2010年バージョンの「ウルトラセブンの歌」とともにレコーディングされた本作は同DVD企画付属のCDに収録。小栗さんは久しぶりに尾崎さんとの再会を果たしましたが、その2年後、尾崎さんは病気のために帰らぬ人となりました。

08.「Theme of People」尾崎紀世彦
作詞:山川啓介 作曲・編曲:前田憲男
99年から03年にかけて毎年開催され、大きな反響を呼んだジャズライブ『尾崎紀世彦vs前田憲男 THE MEN』など、尾崎さんのコンサートのエンディングで歌唱されたオリジナル曲。今回は2012年9月2日、東京のホテルオークラで開かれた『尾崎紀世彦をしのぶ会』で参加者全員に配布された3曲入りCDに収録されたライブバージョンをお届けしました。

 


<Informationコーナー>
8月19日発売 オムニバス盤7タイトル(アンコールプレス)
1.『西部警察PART・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲサウンドトラック盤 西部警察ハイライト編』
2.『明治チェルシーの唄』
3.『TV時代劇グレイテスト・ヒッツ』
4.『TV時代劇グレイテスト・ヒッツ2』
5.『小林亜星 アニメ・トラック・アンソロジー』
6.『小林亜星 TVサントラ・アンソロジー』
7.『小林亜星 CMソング・アンソロジー』

コロナ禍によるステイホームの定着で、テレビの視聴時間が全世代で増加している昨今、BS・CS放送や動画配信サービスで提供されている昭和のドラマ・アニメ・歌番組が人気を集めています。番組を彩った主題歌や劇伴を耳にする機会も増えていますが、このたびテレビ黄金期の音楽を収録したオムニバス盤7タイトルがアンコールの声に応えて再プレスされることが決定しました。いずれも入手困難となっていた名盤揃い。今回はその中から『小林亜星 CMソング・アンソロジー』に収められた「日立の樹(この木なんの木)」(歌唱:ヒデ夕木、朝コータロー、シンガーズ・スリー)をお届けしました。
※詳細はテイチクエンタテインメントの特設サイトをご参照ください。

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