トップページ ラジオ 歌謡ラジオ「午前0時の歌謡祭」 第64回放送 「木﨑賢治が語る『プロデュースの基本』(後篇)」

第64回放送 「木﨑賢治が語る『プロデュースの基本』(後篇)」

第64回放送 「木﨑賢治が語る『プロデュースの基本』(後篇)」

<2021.1.24 OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

放送開始5周年の節目となった1月の『0時歌謡』。記念回に相応しく、半世紀にわたってヒットメーカーとして活躍を続ける音楽プロデューサーの木﨑賢治さんをゲストにお迎えしました。
1970年、渡辺音楽出版に入社した木﨑さんは翌71年から制作を担当。沢田研二、アグネス・チャン、山下久美子、吉川晃司らを手がけた後、独立し、その後も槇原敬之、BUMP OF CHICKENなど、現在に至るまでヒットアーティストを発掘・育成し続けています。
昨年12月には初の単著『プロデュースの基本』(集英社インターナショナル)を出版。番組では新著に関するお話以外にも、制作にまつわる興味深いエピソードを2週にわたって披露してくださいました。後篇は80年代以降のヒット曲と、現在プロデュースされているバンドの楽曲で構成いたしました。


木﨑賢治『プロデュースの基本』
発売日:2020年12月7日
新書判/256ページ
価格:880円(税別)
特設ページ:https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-7976-8062-1


01.「バスルームから愛をこめて」山下久美子(1980)
作詞:康 珍化 作曲:亀井登志夫 編曲:東海林 修
渡辺プロダクションのニューミュージック部門「NON STOPプロジェクト」からデビューした山下久美子の1stシングル。木﨑さんは当初、彼女が好むブルージーな楽曲にしようと考えていたそうですが、途中で「アーティストのイメージをなぞってはいけない」という鉄則に立ち返り、ポップなメロディの本作を制作します。80年代にヒットを連発する康と亀井はともに早大出身の友人同士で、本作がコンビ初のシングル曲となりました。

BGM.「晴れのちBLUE BOY」沢田研二(1983)
作詞:銀色夏生 作曲:大沢誉志幸 編曲:大村雅朗
木﨑さんは後に売れっ子となる作家やアレンジャーを早い段階で見出し、ヒットが求められるシングルA面にも積極的に起用してきました。当時、無名だった銀色と、ソロデビュー前の大沢(現在は“大澤”)がキャスティングされた本作もその1つ。邦楽では珍しかったジャングルビートを大胆に採り入れた大村雅朗も「みずいろの雨」(八神純子)でブレイクする前に木の実ナナのシングル「うぬぼれワルツ」(78年)で木﨑さんと仕事をしています。本作はオリコン11位のヒットを記録しました。

02.「そして僕は途方に暮れる」大沢誉志幸(1984)
作詞:銀色夏生 作曲:大沢誉志幸 編曲:大村雅朗
3rdアルバム『CONFUSION』からアレンジを変えてリカットされた5thシングル。日清カップヌードルのCMソングに起用され、自身初のTOP10入り(オリコン最高6位)を果たしました。EPIC・ソニーのプロデューサー・小坂洋二から新人の銀色を紹介された木﨑さんは、言葉の力強さと詞のセンスに惚れ込み、大澤の1stアルバム『まずいリズムでベルが鳴る』(83年)の全作詞を依頼。以後、沢田研二や伊藤銀次のシングルでも仕事をしたほか、2006年には共著本『ものを作るということ』を出版しています。

BGM.「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」沢田研二(1981)
作詞:三浦徳子 作曲:沢田研二 編曲:伊藤銀次
ロンドン録音の16thアルバム『S/T/R/I/P/P/E/R』からリカットされた34thシングル。作詞の三浦と編曲の伊藤は前年リリースの「おまえがパラダイス」以来3作連続の起用でした。木﨑さんは制作にあたって、場末感のある退廃的な詞を想定していたそうですが、三浦は「愛はストリッパー」と言い切る詞を提供。さらに伊藤がネオロカビリー的なサウンドに仕上げたことで、ジュリーの新機軸を打ち出すことに成功し、本作はオリコン6位のヒットとなりました。

03.「モニカ」吉川晃司(1984)
作詞:三浦徳子 作曲:NOBODY 編曲:大村雅朗
渡辺プロダクション肝煎りの大型新人として売り出された吉川晃司のデビュー曲。本人主演の映画『すかんぴんウォーク』の主題歌に起用され、オリコン4位まで上昇しました。阿久 悠との仕事を通じて、タイトルや詞が先にあった方が目的地がはっきりしていい曲ができることを学んだ木﨑さんは本作でもタイトルを先に決定。さらに曲先(メロディに詞を乗せる作り方)に慣れている三浦とNOBODYにあえて詞先を要請し、「セレブの令嬢とひと夏の恋に落ちたLAのライフセーバー」というコンセプトを具現化することに成功しました。

BGM.「北風~君にとどきますように~」槇原敬之(1992)
作詞・作曲・編曲:槇原敬之 ストリングス&ホーンアレンジ:服部隆之
90年に設立されたWEAミュージックの社長・折田育造から槇原のデモテープを渡された木﨑さんは詞の世界観に惹かれ、プロデュースを決意。当時はバンドブームの真っ只中でしたが、そういう時こそ槇原のようなソロのシンガーソングライターを育てたいと思ったそうです。1stアルバム『君が笑うとき君の胸が痛まないように』(90年)に収録された本作は92年にアレンジを変えて6thシングルとしてリリース。槇原自身もお気に入りの作品でオリコン6位のヒットを記録しました。

04.「もう恋なんてしない」槇原敬之(1992)
作詞・作曲・編曲:槇原敬之
槇原にとって2作目のミリオンヒットとなった5thシングル。日本テレビ系ドラマ『子供が寝たあとで』の主題歌に起用され、オリコン2位をマークしました。木﨑さんの新著『プロデュースの基本』には逆説的な発想が人を感動させると書かれていますが、聴く者の予想を裏切る展開が続く本作の詞はまさにその代表例。槇原の天性の才能が光る楽曲といえるでしょう。

BGM.「supernova」BUMP OF CHICKEN(2005)
作詞・作曲:藤原基央 編曲:BUMP OF CHICKEN
「カルマ」と両A面でリリースされたメジャー10枚目のシングル。オリコン2位を獲得し、彼らにとって2番目のビッグセールスを記録する作品となりました。オーガナイザー濱口は藤原が紡ぐ詞のファンで、独特の着眼点と言葉選びのセンスに毎回感服していますが、今回は数ある傑作の中から最もお気に入りの本作をセレクトしました。

05.「Headphones」FAITH(2020)
作詞:Akari Dritschler、Mas Kimura 作曲:FAITH、Kenji Kisaki、Mas Kimura 編曲:FAITH
木﨑さんが現在担当している男女5人の混成バンドが昨年9月に発表した配信限定シングルです。海外の音楽シーンを常にチェックしている木﨑さんはかねがね世界に通用するアーティストを手がけたいと考えていましたが、ある時、Twitterで目にしたバンドの音楽性に惹かれ、DMを送信。彼らはすでに事務所もレコード会社も決まっていましたが、思いが同じであることが判明したため、一緒に制作をすることになったといいます。全編英語詞で、ポップセンスに溢れた本作は米Spotifyの新人プレイリスト入りを果たし、MVのYouTube再生回数がすでに100万回を突破しています。

06.「そのまんま勇者」アイラヴミー(2020)
作詞・作曲:さとうみほの 編曲:アイラヴミー
2016年に結成された男女混成3ピースバンドが昨年9月に配信を開始した最新シングル。その直後にリリースされた同名アルバムの表題曲でもあります。ボーカル&ギターで作詞作曲も手がけるさとうは、木﨑さんが教鞭をとっている専門学校の出身。当時はソロでアコースティックギターの弾き語りだったといいますが、詞の面白さに惹かれた木﨑さんの勧めでバンドを結成し、19年にメジャーデビューを果たしました。20年にはNHK『みんなのうた』で流れた「答えを出すのだ」が評判を呼ぶなど、注目のバンドです。

07.「天体観測」BUMP OF CHICKEN(2001)
作詞・作曲:藤原基央 編曲:BUMP OF CHICKEN
本作でのブレイクから20年、今もバンドシーンのトップを走り続けるバンプのメジャー2作目、通算3作目のシングル。フジテレビ系ドラマ『天体観測』の挿入歌に起用され、オリコン3位の大ヒットを記録しました。彼らを下北沢のライブハウスで見出した木﨑さんは、出会いの時の印象や楽曲の魅力、特にメロディメーカーとしての藤原の才能を語ってくれました。

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