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第69回放送 「フェロモン全開!セクシー歌謡の世界」

第69回放送 「フェロモン全開!セクシー歌謡の世界」

<2021.6.20 OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 


6月は592頁に及ぶ話題の大著『にっぽんセクシー歌謡史』を出版されたばかりの馬飼野元宏さんをお迎えし、大衆音楽の歴史を語るうえで欠かせないセクシー歌謡(お座敷ソング、ムード歌謡、エロ歌謡、お色気歌謡等)に関するお話を伺いました。
歌謡曲のみならず映画やドラマ、洋楽にも造詣が深い馬飼野さんがゲスト出演されるのは2016年12月の「喪失歌謡」、2018年6月の「編曲家・萩田光雄の時代」以来、3年ぶり3度目。今回は新著で紹介されている楽曲の中から、セクシー歌手トップ4(奥村チヨ、辺見マリ、山本リンダ、夏木マリ)を筆頭に、様々なタイプの名盤・珍盤をご紹介いただきました。番組では一部しかお届けできませんでしたので、続きは『にっぽんセクシー歌謡史』と、Spotifyのプレイリスト「にっぽんセクシー歌謡史~サウンドトラック」でディープな世界をご堪能ください!

馬飼野元宏著『にっぽんセクシー歌謡史』(リットーミュージック)
発売日:2021年5月21日
特設ページ:https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3118333006/

◎『にっぽんセクシー歌謡史』に登場する楽曲からセレクトしたSpotifyのプレイリストを公開中!
【にっぽんセクシー歌謡史 Mix on Spotify】


01.「ノックは無用」大信田礼子(1971)
作詞:阿久 悠 作曲・編曲:鈴木邦彦
大信田礼子は高校在学中、「ミスコンテスト10代女王コンテスト世界大会」で優勝。芸能界入りした後は抜群のプロポーションを生かして、映画『ずべ公番長』シリーズやドラマ『プレイガール』(東京12チャンネル)等で活躍しました。歌手としては70年に「女の学校」でデビュー。ハスキーボイスで粘っこく歌うボーカルが特徴で、3rdシングルの本作でも語尾にアクセントを置く独特の大信田節を聴かせてくれます。

BGM.「お座敷ロック」五月みどり(1958)
作詞:関沢新一 作曲・編曲:米山正夫
戦前の鶯芸者(歌う芸者)に端を発するお座敷歌謡は戦後、神楽坂はん子や榎本美佐江らが継承。一方、本職が芸者ではない“芸者風歌手”も数多く登場しました。その一人である五月みどりは幼い頃から日舞を習い、のど自慢番組での優勝を機に作曲家・宮城秀雄(宮城まり子の実弟)に師事。18歳の時、お座敷歌謡とロカビリーを融合した本作で歌手デビューを果たします。残念ながらヒットには至りませんでしたが、後年、再評価を受け、2019年10月に再発盤がリリースされました。

02.「ダニエル・モナムール」辺見マリ(1969)
作詞:安井かずみ 作曲:村井邦彦 編曲:川口 真
スペイン系アメリカ人の父親と、日本人の母親の間に生まれた辺見マリは、中3の時にスカウトされて京都から上京。渡辺プロ系列の東京音楽学院で歌やダンスのレッスンを積み、19歳の時、本作でデビューします。馬飼野さんいわく、西欧人風のゴージャスなビジュアルを有し、最初からお色気路線を歩んだ彼女はテレビでのプロモーションを前提としたセクシー歌謡のパイオニア的存在。フレンチ・ロリータ的世界観の本作はオリコン35位をマークし、次作「経験」(70年)でブレイクを果たします。

03.「嘘でもいいから(Live Ver.)」奥村チヨ(1970)
作詞:川内康範 作曲:筒美京平
蠱惑的なルックスと歌声で人気を博した奥村チヨはセクシー歌謡の第一人者ともいえる存在。18歳でデビューし、「ごめんね・・・ジロー」(65年)、「北国の青い空」(67年)等のヒットを経て、「恋の奴隷」(69年)で小唄調のフェロモン唱法を確立します。なかにし礼・鈴木邦彦コンビによる“恋3部作”を経て、70年は筒美京平が3作続けてシングルを担当。その第2弾にあたる本作は振り切った歌詞と歌唱で、お色気路線の頂点を極めたと言っていいでしょう。今回は同年7月に京都のナイトクラブ「ベラミ」で録音されたライブ盤『ナイトクラブの奥村チヨ』の収録音源をお届けしました。

BGM.「スキャンドール」朝丘雪路(1968)
作詞:阿久 悠 作曲・編曲:小杉仁三
築地の料亭の女将と日本画家・伊東深水の間に生まれた朝丘雪路は宝塚歌劇団の娘役を経て、歌手・女優として活躍。グラマラスな肢体と、お嬢様育ちの天然キャラが文化人から愛され、『11PM』(日本テレビ系)の司会など、タレントとしても人気を集めました。クラウン在籍中にリリースされた本作は、阿久 悠(原作)と上村一夫(作画)が『漫画サンデー』に掲載した同名劇画のビジュアルをジャケットに使用。全編、吐息交じりのセクシーボイスで彩られたラテン調のエロティック歌謡です。

04.「渚の歓喜(エクスタシー)」應 蘭芳(1968)
作詞:佐伯孝夫 作曲:鈴木庸一 編曲:竹村次郎
英国籍中国人の父親と、日本人の母親の間に生まれた應 蘭芳は東映ニューフェイスに合格後、俳優座にも在籍。当初は“三瀬滋子”名義で活動しますが、68年に改名し、『プレイガール』(東京12チャンネル)等に出演します。週刊誌のインタビューで「あの時はいつも失神するの」と発言したことがきっかけで“失神女優”の異名をとり、デビュー曲「火遊びのブルース」のB面に収録された本作は、時に語り調で挑発する独特の歌唱から“失神ソング”との評価を受けました。

05.「お願い入れて」操 洋子(1970)
作詞・作曲・編曲:藤本卓也
特殊漫画家の根本 敬、音楽評論家の湯浅 学、デザイナーの船橋英雄によって設立された「幻の名盤解放同盟」によって発掘された本作は、操 洋子の2ndシングル「嵐の夜は二度来ない」のB面に収録。“夜のワーグナー”の異名を持ち、五木ひろし「待っている女」(72年)など、あまたのヒット曲を持つ藤本卓也の手による楽曲ですが、意味深なタイトルを裏切る他愛もない内容と、バックで鳴り響くチャイム音、操のねっとりした歌唱など、聴きどころ満載のディープ歌謡といえるでしょう。

BGM.「あまったれ」アパッチ(1977)
作詞:伊藤アキラ 作曲:森田公一 編曲:船山基紀
キャンディーズのフォロワー的な立ち位置で登場したアパッチは「若さあふれるパンチ」がグループ名の由来。アコ、ミッチー(当初は“ミッチ”)、ヤッチンの3人は本家キャンディーズより、お色気度高めの路線を展開し、バラエティ番組でも活躍しました。ソウルフルなディスコサウンドに乗せて「あまったれちゃ、イヤ!」と歌う本作は2ndシングル。ミニスカート姿で腰を前後に振って挑発するような振り付けも話題となりました。

06.「きりきり舞い」山本リンダ(1973)
作詞:阿久 悠 作曲・編曲:都倉俊一
米国人の父親と日本人の母親の間に生まれた山本リンダはモデルとして雑誌やファッションショーで活躍した後、66年に「こまっちゃうナ」で歌手デビュー。舌足らずなぶりっ子唱法で人気を集めるも、その後は低迷し、72年にイメージチェンジを図った「どうにもとまらない」で第一線に復帰します。以後、男を挑発する過激なヒロインを描いた作品でヒットを重ねますが、その路線が行き着いたタイミングでリリースされたのがフレンチポップス風の本作。デビュー当時の唱法を彷彿とさせる、小悪魔的なウイスパーボイスで新しい魅力を訴求しています。

07.「ガラスの絆」夏木マリ(1976)
作詞:橋本 淳 作曲:川口 真 編曲:萩田光雄
71年、本名の“中島淳子”名義でデビューした夏木マリは清純派として売り出され、シングル2作を発表。残念ながらヒットに至らず、73年に改名し、「絹の靴下」で再デビューします。妖艶なフィンガーアクションでも話題を呼んだ同作でブレイクした夏木は以後「野性的で生命力の強いイタリア女」(馬飼野さん談)の路線でヒットを連発。本作は通算10枚目のシングル「夏の夜明けは悲しいの」のB面で、ボサノバ調の愛人歌謡とでもいうべき仕上がりですが、「あなたの幸せそうな奥さんも、可愛い盛りの坊やのこともよく知っている」と呟く歌詞にはストーカーじみた狂気が漂っています。

08.「夜光虫」宗田まこと(1976)
作詞:山口洋子 作曲・編曲:都倉俊一
山本リンダのフォロワーに位置付けられる宗田まことは“宗田政美”名義でピンキー女優として活躍。74年に改名し「幸せ振り」で歌手デビューを果たします。3rdシングルの本作はアフリカ原住民の雄叫びを思わせる男声コーラスとパーカッション、ブラス、ディストーションを効かせたギターが混然となった“ジャングルサウンド”(ジャケット表記より)が強烈な1曲。キャッチーな都倉メロディと、宗田のワイルドなボーカルも聴きどころの“肉食歌謡”です。

09.「女はそれをがまんできない」池 玲子(1971)
作詞:阿久 悠 作曲:親泊正昇 編曲:三沢 郷
ヌードモデルを経て映画『温泉みみず芸者』(71年)で主演デビューした池 玲子は当時18歳。豊満なバストとグラマラスなボディを武器にポルノ女優として活躍し、東映のピンキーバイオレンス路線を牽引します。歌手としては71年12月にカバーアルバム『恍惚の世界』でデビュー。当時のヒット曲を語りや喘ぎ声で表現した斬新な企画で、独身男性の性欲を刺激する作りとなっています。同アルバムに収録された本作は大信田礼子の2ndシングルのカバー。今では有り得ない官能的なジャケットも相俟って、オリジナル盤はプレミア価格で取引されています。

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