第5回放送 歌謡曲愛好家ができるまで
<2016年5月15日放送>
オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家)
《午前0時の歌謡祭アーカイブ》
第5回放送 歌謡曲愛好家ができるまで(2016.5.15 OA)
5月は番組開始以来初となるゲストなし、つまりオーガナイザーの濱口単独でお送りしました。2016年1月に番組がスタートしてから、ありがたいことに出演をお願いした皆様から次々と快諾のお返事を頂戴し、豪華ゲストが続いておりましたが、この回では濱口がどうして“歌謡曲愛好家”を自称するに至ったのか、そのルーツとなった歌謡曲の一部を紹介させていただきました。題して「歌謡曲愛好家ができるまで」。メジャーなミリオンヒットから、隠れた名曲まで、濱口の琴線に触れた歌謡曲をセレクトしました。
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01.「この街」森高千里(1990)
作詞:森高千里 作曲・編曲:斉藤英夫
このたびの熊本・大分における大地震に遭われた皆様に、一日でも早く穏やかな日が訪れるようにという祈りを込めて、オープニングは熊本育ちの森高千里の曲を選びました。森高自身による熊本弁のセリフが挿入されるなど、故郷への想いが溢れた作品です。今回は90年にリリースされた5thアルバム『古今東西』に収録された初出バージョンをお届けしましたが、翌91年には「この街(HOME MIX)」という別バージョンがシングルカットされ、オリコン4位のヒットを記録しています。
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02.「ブルー・ライト・ヨコハマ」いしだあゆみ(1968)
作詞:橋本 淳 作曲・編曲:筒美京平
言わずと知れた日本の歌謡史に残る名曲。史上最大のヒットメーカー・筒美京平が初めてオリコン1位を獲得したミリオンセラーです。発売当時3歳だった濱口は、家にあったシングル盤を聴きつぶしたほど本作を異常に気に入り、2枚目を買ってもらったといういわくつきの作品。「三つ子の魂百まで」と言いますが、まさに歌謡曲の魅力に目覚めさせてくれた1曲といえるでしょう。
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03.「木彫りの人形」小柳ルミ子(1971)
作詞:山上路夫 作曲:平尾昌晃 編曲:森岡賢一郎
71年4月に「わたしの城下町」でデビューして、いきなりミリオンヒットを記録した小柳ルミ子は、濱口が最初に好きになったアイドルでした。本作はそのデビューシングルのカップリング曲で、A面同様、数え切れないほど聴きこんだ作品。宝塚音楽学校を首席で卒業しただけあって、抜群の歌唱力で、聴く者を歌の世界へと引き込みます。山上路夫と平尾昌晃のコンビは翌72年、「瀬戸の花嫁」を大ヒットさせました。
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04.「アンティックドール」キャンディーズ(1978)
作詞:伊藤 蘭 作曲:伊藤 蘭、渡辺茂樹 編曲:渡辺茂樹
“人形つながり”でもう1曲。キャンディーズのラストアルバム『早春譜』に収録された本作は、ランちゃんこと伊藤 蘭が作詞作曲も手がけ(作曲は渡辺茂樹との共同名義)、運命に翻弄される人形の気持ちを切々と歌っています。キャンディーズファンの友人宅でこの曲を初めて聴いた濱口は「『木彫りの人形』のキャンディーズ版だ!」と感じ、以来、お気に入りの1曲に。キャンディーズは歌唱力だけでなく、ソングライティング力にも優れたグループでした。
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05.「ある女の詩」美空ひばり(1972)
作詞:藤田まさと 作曲:井上かつお 編曲:青木 望
歌謡曲やアイドルの魅力に目覚めた濱口が歌番組の虜になるのに、そう時間はかかりませんでした。なかでも紅白歌合戦やレコード大賞は年に1度のビッグイベント。家庭用ビデオがなかった時代は、ラジオを録音したカセットテープを何度も聴いて、司会者の紹介コメントもほぼ暗記していました。その最初の記憶が1972年の紅白。大トリはもちろん美空ひばりさんでした。
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06.「風の駅」野口五郎(1977)
作詞:喜多條忠 作曲・編曲:筒美京平
歌番組のなかで最もお気に入りだったのは、78年1月にスタートしたTBS系の『ザ・ベストテン』。ここからヒットチャートやランキングを追うようになり、多いときはラジオを中心に週10本程度のベストテン番組をチェックしていました。本作は『ザ・ベストテン』の第1回放送で10位にランキングされた曲。あのミラーゲートを最初にくぐったのは野口五郎だったんですね。
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BGM.「空を飛ぶ鳥のように野を駆ける風のように」松山千春(1979)
作詞・作曲:松山千春 編曲:清洲邦義
濱口が最初に買ったLPレコードは松山千春の4thアルバム『空を飛ぶ鳥のように野を駆ける風のように』でした。当時の“ちいさま”は「季節の中で」で大ブレイクした直後。アルバム志向のニューミュージックが台頭してきた時期でもあり、これ以降、少ない小遣いをやりくりして、アリスや渡辺真知子など、シンガーソングライターのアルバムを買うようになりました。
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07.「ジャングル・コング」庄野真代(1979)
作詞:三浦徳子 作曲:筒美京平 編曲:後藤次利
当時、お気に入りだったシンガーソングライターの1人が庄野真代でした。78年、「飛んでイスタンブール」でブレイクした彼女は職業作家からの提供作品でヒットを連発。イスタンブールからモンテカルロ(「モンテカルロで乾杯」)→エルパソ(「マスカレード」)と来た歌の旅は、本作でリオのカーニバルに到達します。少しハスキーな声質とファッショナブルな雰囲気が、歌の世界観と見事にマッチしていました。
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08.「プロローグ」河合奈保子(1980)
作詞:竜真知子 作曲:馬飼野康二 編曲:船山基紀
松田聖子、田原俊彦らとともに、80年代アイドルブームの先駆者となった河合奈保子は濱口が最も夢中になったアーティスト。本作は彼女の1stアルバム『LOVE』のA面1曲目に収録された作品で、キャリアのプロローグにふさわしい洋々たる前途を感じさせるナンバーです。竜真知子と馬飼野康二のコンビは「スマイル・フォー・ミー」や「ラブレター」「夏のヒロイン」など、初期の代表作を数多く手がけています。
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《イントロクイズ解答》
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「モニカ」吉川晃司
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「風の谷のナウシカ」安田成美
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「天国にいちばん近い島」原田知世
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「VOYAGER~日付のない墓標」松任谷由実
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「メイン・テーマ」薬師丸ひろ子
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