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第61回放送 特集「船山基紀サウンドストーリー(後篇)」

第61回放送 特集「船山基紀サウンドストーリー(後篇)」

<2020.11.22 OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

編曲家の船山基紀さんをゲストにお迎えしての第二夜。1974年のデビュー以来、あまたのヒット曲を送り出してきた船山さんは12月16日に自身初の作品集『船山基紀サウンド・ストーリー~時代のイントロダクション~』をリリース。CD4枚に46年のキャリアを代表する72曲が網羅される同作品集は、貴重な対談、インタビュー、楽曲解説が満載の100頁に及ぶブックレットが付属するなど、音楽ファン必携アイテムになることは間違いありません。
後篇となる今回は、船山さんが師と仰ぐ作/編曲家・筒美京平氏とのコンビで制作された楽曲で構成。作品集に収められる曲や、リスナーの皆さんから寄せられたリクエスト曲を中心に、制作時のエピソードや、稀代のヒットメーカーに関するお話を伺いました。


『船山基紀 サウンド・ストーリー 時代のイントロダクション』
発売日:2020年12月16日
価格:10,000円(税別)
仕様:CD4枚組、 三方背BOX、 歌詞ブックレット38P、 解説ブック100P
特設ページ:https://www.110107.com/funayama/


01.「ABC」少年隊(1987)
作詞:松本 隆 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
来月12日にデビュー35周年を迎える少年隊の7thシングル。彼らのデビュー曲「仮面舞踏会」(作詞:ちあき哲也、作曲:筒美京平)では5拍子のイントロという、インパクト絶大なアレンジを施した船山さんですが、本作では全部の楽器を生と打ち込みの二重にする分厚いサウンドを構築し、オリコンや『ザ・ベストテン』(TBS系)における1位獲得に貢献します。その「盛った」オケを上手く整理したのが、レコーディングエンジニアの巨匠・内沼映二でした。

BGM.「Romanticが止まらない」C-C-B(1985)
作詞:松本 隆 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
稀代のヒットメーカー・筒美京平の曲を最も多くアレンジしている船山さんですが、数あるコンビ作品の中で最大のセールスを記録したのが、C-C-B改名後の第1弾シングル(通算3作目)にあたる本作でした。昨年出版された船山さんの著書『ヒット曲の料理人 編曲家・船山基紀の時代』には、レコーディング時におけるちょっとしたハプニングが記載されていますが、キャッチーな船山アレンジがあったからこそオリコン2位の大ヒットに繋がったと言えましょう。

02.「E気持」沖田浩之(1981)
作詞:阿木燿子 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
竹の子族出身で、学園ドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)の生徒役でも人気を集めた“ヒロ君”のデビュー曲。筒美から編曲を任された船山さんはチアリーディング風の楽しいアレンジで期待に応え、オリコン8位のヒットに結びつけます。番組では筒美が本作の歌詞に登場する隠語の意味や楽曲のコンセプトを船山さんに解説したエピソードが披露されました。

03.「紫外線」沢田玉恵(1986)
作詞:松本 隆 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
CBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)主催のオーディションで優勝し、「花の精-わたしのON AIR-」でデビューした沢田玉恵の2ndシングル。プロデューサーは先日文化功労者に選出された酒井政利で、船山さんは「筒美先生と酒井プロデューサーの仕事は(ヒットさせなくてはいけないという)プレッシャーがあった」と明かしてくれました。沢田はわずか半年で芸能界を引退しましたが、類まれな美形ぶりと歌唱力で今なお人気を集めています。

BGM.「プリティー・プリティー」石野真子(1979)
作詞:阿久 悠 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
70年代末の“アイドル冬の時代”に絶大な人気を集め、大健闘した石野真子の5thシングル。男女の掛け合いによるコミカルタッチのキャンディーポップで、オリコン26位をマークしました。筒美は石野に初提供した前作「日曜日はストレンジャー」(79年)では編曲も手がけていますが、本作では船山さんがアレンジを担当。船山さんはこの時期に、アイドルの歌は隙間を作らずに音で埋めることを叩き込まれたといいます。

BGM.「IF(イフ)」西城秀樹(1979)
作詞:山川啓介 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
今回の特集にはリスナーの皆様から多くの質問やメッセージが寄せられ、船山人気の高さが改めて証明されましたが、中でも多くのリクエストを集めたのが西城秀樹作品でした。前篇では「腕の中へ」(85年)と「夏の誘惑」(88年)を紹介しましたが、今回は30thシングル「勇気があれば」のB面に収録された格調高いサウンドが印象的な悔恨バラードをお届けしました。

04.「オリエンタルムーン」金井夕子(1979)
作詞:松本 隆 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
尾崎亜美から提供された「パステルラヴ」(78年)でデビュー以来、ニューミュージックとアイドルの中間的な路線で活躍した金井夕子の5thシングル。船山さんはデビューから5作連続でシングルA面の編曲を手がけますが、本作では前年にヒットした庄野真代の「飛んでイスタンブール」(78年)に連なるエスニック調のアレンジで異国情緒を演出しました。金井の歌唱力を絶賛する船山さんは自身の編曲のベスト5に「パステルラヴ」を挙げています。

05.「ROBOT」榊原郁恵(1980)
作詞:松本 隆 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
79年にブレイクしたYMOにより世界的なテクノポップブームが吹き荒れるなかリリースされた榊原郁恵の17thシングル。船山さんは「テクノ風にしたい」という筒美のコンセプトに沿って、ローランドMC-8(シンセサイザー用シーケンサー)を使ってアレンジを行ないますが、当時のテクノロジーでは打ち込みに膨大な時間がかかったため、矢嶋マキ(キーボーディスト)の手弾きで対応したといいます。テクノ歌謡の嚆矢といえる本作はオリコン22位まで上昇しました。

BGM.「シスコ・ドリーム」野口五郎(1979)
作詞:阿久 悠 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
昨年10月の特集で紹介した31stシングル「女になって出直せよ」のB面に収録されたファンキーなディスコチューン。ロサンゼルスで録音されたアルバム『ラスト・ジョーク GORO IN LOS ANGELS ’79』からの先行リリースでしたが、他の収録曲と同様、今聴いても全く古びていないメロウなサウンドで、近年再評価が進んでいます。船山さんはラリー・カールトンら凄腕ミュージシャンが多数参加したレコーディングのエピソードを披露してくださいました。

06.「ドラマティック・レイン」稲垣潤一(1982)
作詞:秋元 康 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
筒美のプロデュースによりブレイクを果たした稲垣潤一の3rdシングル。横浜ゴムのCMに起用され、オリコン8位のヒットを記録しました。船山さんは巷間よく言われる「AORサウンド」を意識してアレンジをしたわけではなく、筒美からもそのような指示はなかったといいます。ニューミュージックと歌謡曲の折衷的な路線で成功を収めた代表作といえるでしょう。

BGM.「ツイてるねノッてるね」中山美穂(1986)
作詞:松本 隆 作曲:筒美京平 編曲:大村雅朗、船山基紀
本人出演の資生堂秋のキャンペーンソングに起用された7thシングル。中山のプロジェクトでは2ndシングル「生意気」(85年)以来のシングルA面となった船山さんは、大村雅朗が手がけたリズムトラックをベースにストリングスやブラス、シンセなどを乗せて、関係各所の要望に応えました。難産の末、誕生した本作ですが、オリコン3位の好成績を残し、「松本 隆×筒美京平×船山基紀」のトリオは「WAKU WAKUさせて」(86年)、「派手!!!」(87年)と3作連続でシングルA面を担当します。

07.「ト・レ・モ・ロ」柏原芳恵(1984)
作詞:松本 隆 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
船山さんが自身の編曲家人生の中でメモリアルな作品として挙げる柏原芳恵の17thシングル。82年秋からのLA留学中に出合ったフェアライト(80年に発売されたデジタルシンセサイザー)を編曲に初めて導入した楽曲で、コーラスのH2O以外はフェアライトと、やはり発売されたばかりのヤマハDX-7で制作されています。オリコン8位をマークした本作を含むアルバム『LUSTER』は全曲「作曲:筒美京平、編曲:船山基紀」による、フェアライトを全面的にフィーチャーした名盤として愛され続けています。

BGM.「月曜日はシックシック」三井比佐子(1982)
作詞:高平哲郎 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
オスカープロモーションが肝煎りで売り出した3人娘・パンジーの一員で、チャコの愛称で親しまれた三井比佐子のデビュー曲。コミカルな詞は放送作家の高平哲郎によるものでオリコン93位をマークしました。個性的なボーカルで今もカルト的な人気を集める三井ですが、そのバックでチアガール風のコーラスを聴かせるのはEVE。抜群のハーモニーと英語の発音を誇る彼女たちは80年代の筒美×船山作品のほとんどに起用されています。

08.「AMBITIOUS JAPAN!」TOKIO(2003)
作詞:なかにし礼 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
東海道新幹線の品川駅開業日にリリースされたJR東海プロデュースソング。デビュー10年目を迎えたTOKIOの28thシングルで彼らにとって2作目のオリコン1位を獲得しました。76年に太田裕美の4thアルバム『手作りの画集』で初めて仕事をして以来、数多くの筒美作品を編曲してきた船山さんですが、スタジオで一緒に制作したのは本作が最後だったそうです。

<Informationコーナー>
10月10日発売「HAKONE駅伝讃歌~青春の襷」三田杏華
作詞:戸上寛子 作曲:芦田直樹 編曲:溝渕新一郎
『午前0時の歌謡祭』にもゲスト出演していただいたことがある音楽プロデューサー・若松宗雄さんの最新プロデュース曲。地元・箱根在住の詩人・戸上寛子が2006年に発表し、箱根駅伝ミュージアムに寄贈された詩をもとに若松さんが楽曲化し、10月10日にCDがリリースされました。昨年の台風で甚大な被害を受けた箱根町の復興のため、売り上げの一部が箱根町に寄付されるチャリティーシングルです。

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