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第78回放送 「至高の歌姫・弘田三枝子」

第78回放送 「至高の歌姫・弘田三枝子」

<2022.2.20 OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

2月は今年3回忌を迎える“ポップスの女王”弘田三枝子さんを特集しました。
1947年生まれの弘田さんは小学生時代から歌を習い、米軍キャンプでジャズやポップスを歌唱。61年、14歳の時に「子供ぢゃないの」でレコードデビューを果たします。米軍キャンプで「ミス・ダイナマイト」と呼ばれたパンチのある歌声は一世を風靡し、「ヴァケーション」「砂に消えた涙」「人形の家」などのビッグヒットを連発。カバーポップスから歌謡曲、ジャズまで、ジャンルを問わない音楽活動を続けましたが、2020年7月、73歳でお亡くなりになりました。
その才能と歌声を惜しむ声は多く、本年2月23日には待望のBOXセット『弘田三枝子・プレミアム』(CD6枚+DVD1枚)がリリース。CDには代表的なシングル曲、洋楽のカバー曲、アニソン、CMソング、邦楽カバーなど131曲が、DVDにはNHK紅白歌合戦における貴重な歌唱映像と「恋のクンビア21」のMVが収録されており、その充実ぶりが話題を呼んでいます。
番組ではそのBOXを企画された日本コロムビアの衛藤邦夫プロデューサーをゲストにお迎えし、“ミコちゃん”の偉大な功績と類まれな歌声に関するお話を伺いました。


弘田三枝子『弘田三枝子・プレミアム』

仕様:6CD+DVD+ブックレット
発売日:2022年2月23日
特設ページ:https://columbia.jp/artist-info/mico/discography/COZP-1872-8.html


01.「ヴァケーション」弘田三枝子(1962)
訳詞:漣 健児 作曲:Hank Hunter、Gary Weston 編曲:大沢保郎
カバーポップス時代を代表する本作は、米国の歌手、コニー・フランシスが62年夏に発表し、全米9位をマークした同名曲がオリジナル。日本では弘田さん(東芝)、青山ミチ(グラモフォン)、伊東ゆかり(キング)、安村昌子(ビクター)、金井克子(コロムビア)、コニーの日本語盤(コロムビア)等の競作となりましたが、弘田盤が最大のヒットを記録しました。当時15歳だった弘田さんはこの曲で紅白歌合戦に初出場しています。

BGM.「子供ぢゃないの」弘田三枝子(1961)
訳詞:漣 健児 作曲:John Schroeder 編曲:岩井直溥
新興のレコード会社・東芝音楽工業(現ユニバーサルミュージック)の草野浩二ディレクターに見出された弘田さんは61年10月、本作でデビュー。当時14歳の中学3年生でしたが、米軍キャンプで鍛えられた抜群のリズム感とパンチのある歌唱で歌謡界に旋風を巻き起こします。オリジナルはやはり14歳でデビューした英国の歌手、ヘレン・シャピロの1stシングル「Don’t Treat Me Like a Child」(61年/全英3位)。B面収録の「悲しき片想い(原題:You Don’t Know)」もヘレンのヒット曲(全英1位)の日本語カバーです。

BGM.「恋のクンビア」弘田三枝子(1965)
作詞:三浦康照 作曲:和田香苗 編曲:河村利夫
60年代前半、歌謡界を席巻したカバーポップスブームも中盤に入ると徐々に収束。代わって、青春歌謡やリズム歌謡など、日本人作家による和製ポップスが台頭します。64年、東芝からコロムビアに移籍した弘田さんもオリジナル曲路線にシフトしていきますが、その第1弾が本作でした。クンビアは南米コロンビア発祥とされる、レゲエにも通じるリズムのこと。弘田さんは随所にスキャットやフェイクを利かせた圧巻の歌唱力で聴く者を魅了します。

02.「渚のうわさ」弘田三枝子(1967)
作詞:橋本 淳 作曲・編曲:筒美京平
専属作家による演歌が主流を占めていたコロムビアは67年、フリーの作家によるポップスの強化を図るため「P盤」という新シリーズを設立。その第1号が「渚のうわさ」でした。同じ年、グラモフォンの洋楽ディレクターからフリーの作曲家に転身した筒美京平にとっては、老舗コロムビアにおけるシングルA面デビュー作。以後、盟友・橋本 淳とのコンビで「可愛い嘘」(68年)まで5作連続でシングルを担当します。なお、本作は紅白歌合戦で初めて歌われた筒美作品となりました。

BGM.「マイ・メモリィ」弘田三枝子(1977)
作詞・作曲:弘田三枝子 編曲:鈴木宏昌
千葉真一主演の映画『ドーベルマン刑事』(77年/監督:深作欣二)の挿入歌に起用された本作は弘田さん自身の作詞・作曲。“コルゲンさん”の愛称で親しまれたジャズピアニスト・鈴木宏昌のアレンジにより、ムード溢れるメロウな楽曲に仕上がっています。映画では歌手役のジャネット八田が弘田さんの吹替でこの曲を歌唱しました。

03.「『ドーベルマン刑事』のテーマ」弘田三枝子(1977)
作詞・作曲:弘田三枝子 編曲:鈴木宏昌
近年、若年層を中心に「カッコいい曲」として注目され、再評価を受けている本作はシングル「マイ・メモリィ」のカップリングに収録されたファンキーなナンバー。A面同様、作詞・作曲も手がけた弘田さんは得意のスキャットをほぼ全編にわたって披露しています。

04.「悲しい恋をしてきたの」弘田三枝子(2015)
作詞:森 雪之丞 作曲:合田道人 編曲:北島直樹
弘田さんが2014年にライブストリーミング番組『スナック芸術丸』(DOMMUNE)に出演した際、「今は純粋な歌謡曲を歌ってみたい」と発言したことがきっかけとなって誕生した3連のバラード。ゲストの衛藤邦夫さんがディレクターを務めた生前最後のシングル曲です。カップリング曲「ひいふうみいよう」は二葉あき子の芸能生活60周年記念曲のカバーで、弘田さんはこちらも好んで歌唱していました。

BGM.「イエスタデイ・ワンス・モア」弘田三枝子(1974)
作詞:John Bettis 作曲:Richard Carpenter 編曲:鈴木宏昌
洋楽のヒットチューンを原語でカバーしたアルバム『イエスタデイ・ワンス・モア』の表題曲。オリジナルは73年に全米2位を獲得したカーペンターズの代表曲です。海外の音楽にもアンテナを立てていた弘田さんはロック、フォークソング、R&Bなどをいち早くカバー。それを自分の歌として昇華することができる才能の持ち主でした。本作のアレンジは原曲を尊重。コーラスはシンガーズ・スリーが担当しています。

05.「恋よ、さようなら」弘田三枝子(1971)
作詞:Harold David 作曲:Burt Bacharach 編曲:前田憲男
洋楽曲を原語でカバーしたアルバム『ミコより愛をこめて』に収録された本作は、映画『アパートの鍵貸します』(60年)を舞台化したブロードウェイミュージカル『プロミセス・プロミセス』(68年)の上演曲「I’ll Never Fall in Love Again」がオリジナル。ディオンヌ・ワーウィックが69年に発売したシングルは全米6位のヒットを記録し、彼女に2度目の「グラミー賞 最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞」をもたらしました。作曲したバカラックのピアノ演奏盤も全米93位をマークしています。

06.「サン・ホセへの道」弘田三枝子(1971)
作詞:Harold David 作曲:Burt Bacharach 編曲:前田憲男
洋楽曲を原語でカバーしたアルバム『ミコより愛をこめて』に収録されたバカラックの代表的ナンバー。オリジナルはディオンヌ・ワーウィックの「Do You Know The Way To San Jose」(68年/全米10位)で、日本ではセルジオ・メンデスがプロデュースしたボサノババンド「ボサ・リオ」のバージョン(69年)がオリコン23位のスマッシュヒットを記録しています。当時の弘田さんは外国人になりきって歌うことを追求していたそうですが、本作における英語の発音とグルーヴ感を聴けばそれも納得。珠玉のボーカル・センスが光る1曲です。

07.「踊り明かそう」弘田三枝子(1967)
訳詞:三浦康照 作曲:Frederick Loewe 編曲:山屋 清
20歳の弘田さんがブロードウェイミュージカルのヒットナンバーに挑戦したアルバム『ミコ・ミュージカルを唄う』の収録曲。オードリー・ヘプバーン主演で映画化もされた『マイ・フェア・レディ』のために書かれた「I Could Have Danced All Night」の日本語カバーです。演奏は、昨年他界した原信夫が率いるシャープス・アンド・フラッツが担当。弘田さんの堂々たる歌唱も聴きどころです。

BGM.「レオのうた」弘田三枝子(1965)
作詞:辻 真先 作曲・編曲:冨田 勲
手塚治虫原作のアニメ『ジャングル大帝』(フジテレビ系/65~66年)のエンディングテーマ。冨田 勲によるスケール感のある曲と弘田さんの躍動感溢れる歌声が聴く者を一気にアニメの世界へと引き込みます。小西康陽がプロデュースしたアルバム『東京27時』(99年)にはセルフカバーVer.が収録されています。

08.「アスパラで生き抜こう」弘田三枝子(1962)
作詞・作曲・編曲:三木鶏郎
CM音楽の巨匠・三木鶏郎が手がけた田辺製薬(現・田辺三菱製薬)の栄養剤「アスパラ」のCMソング。弘田さんはレナウンの「ワンサカ娘」など、多くのCMソングを歌いましたが、本人が長年イメージキャラクターを務めたアスパラのCMは「元気なミコちゃん」のイメージ形成に大きく貢献しました。

09.「Everything」弘田三枝子(2006)
作詞:MISIA 作曲:松本俊明 編曲:渡辺かづき、MICO
8枚組BOX『弘田三枝子・じゃずこれくしょん』のDisc8としてリリースされたアルバム『My Tapestry』に初収録された本作はMISIAのヒットチューンのカバー。同アルバムは弘田さんには珍しくJ-POPのカバー曲で構成されていますが、オリジナルとは異なるジャジーなアレンジと、大胆に導入されたスキャットが聴きどころの名カバーです。

10.「人形の家」弘田三枝子(1969)
作詞:なかにし礼 作曲・編曲:川口 真
大胆なイメージチェンジを果たした本作は弘田さんにとって第2のデビュー曲ともいえる重要な作品。作詞を担当したなかにし礼は「これでミコは女をあげるぞ」と言ったそうですが、その言葉通り、オリコン1位を3週連続で獲得し、日本レコード大賞の歌唱賞を受賞する大ヒットとなりました。

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