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第85回放送 「音楽プロデューサー・川原伸司を迎えて」

第85回放送 「音楽プロデューサー・川原伸司を迎えて」

<2022.8.21 OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

8月はオーガナイザー濱口が敬愛する音楽プロデューサー・川原伸司さんをゲストにお迎えしました。『0時歌謡』へのご出演は番組開始直後の2016年2月以来6年半ぶり。今回は7月に出版された初のご著書『ジョージ・マーティンになりたくて~プロデューサー川原伸司、素顔の仕事録~』に関するお話を聞かせていただいたほか、リスナーの皆さんから寄せられた質問にもお答えいただきました。
1950年、東京で生まれた川原さんは高校1年生でビートルズの武道館公演を体験。“5人目のビートルズ”と言われた英国の音楽プロデューサー、ジョージ・マーティンに憧れ、日本大学芸術学部をご卒業後、ビクター音楽産業(現・ビクターエンタテインメント)に入社されます。以後、ビクターやソニーで、ピンク・レディー、杉 真理、松本伊代、The Good-bye、中森明菜、TOKIO、ダウンタウンなど多くのアーティストを担当。大瀧詠一、筒美京平、松本 隆、鷺巣詩郎らのブレーンも務めるかたわら、“平井夏美”名義などで作曲活動も行ない、「少年時代」(井上陽水との共作)、「瑠璃色の地球」などのヒットを放ちます。現在はフリーの音楽プロデューサー、作曲家として幅広く活躍。直近では早見 優の40周年記念アルバムに収録される新曲3曲のプロデュース/作曲を手がけたことが番組内で告知されました。


川原伸司『ジョージ・マーティンになりたくて~~プロデューサー川原伸司、素顔の仕事録~』

発売日:2022年7月14日
仕様:四六判 248ぺージ
特設ページ:https://www.shinko-music.co.jp/item/pid0652185/
特別通販サイト(スペシャルCD付属):https://kawaharashin.base.shop/items/64602485


早見 優『Affection ~YU HAYAMI 40thAnniversary Collection~』

仕様:3CD+ブックレット
発売日:2022年10月12日
特設ページ:https://store.universal-music.co.jp/product/upcy7790/


01.「少年時代」井上陽水(1990)
作詞:井上陽水 作曲:井上陽水、平井夏美 編曲:井上陽水、平井夏美、星 勝
映画『少年時代』の主題歌としてリリースされた本作はオリコン4位をマーク。2年越しのロングセラーを記録し、井上最大のヒットシングルとなりました。新著によると、もとのタイトルは「夢はつまり・・・」。荻野目洋子のシングル「ギャラリー」のレコーディング中、アナログシンセサイザーの音が決まるまでの間、ピアノのブースで一緒に作った10数曲の1つだったといいます。

BGM.「東京」マイ・ペース(1974)
作詞・作曲:森田 貢 編曲:マイ・ペース
74年、ビクターに採用された川原さんは邦楽宣伝部に勤務。制作部と連携しながらA&R的な立場で様々なプロジェクトに関わっていきます。秋田出身のフォークグループのデビュー曲として発売された本作はオリコン最高28位のロングセラーを記録。入社1年目の川原さんにとって初のヒット曲となりました。

02.「波乗りパイレーツ(U.S.A.吹込盤)」ピンク・レディー(1979)
作詞:阿久 悠 作曲:都倉俊一 編曲:Paul Fauerso
13thシングル「波乗りパイレーツ(日本吹込盤)」のB面に収録された別バージョン。ロサンゼルスで行なわれたコーラスダビングには川原さんも立ち会い、ザ・ビーチ・ボーイズのメンバー(マイク・ラヴ、ブライアン・ウィルソン、カール・ウィルソン、ブルース・ジョンストン)の息の合ったハーモニーを現場で体感したそうです。なお新著の特別通販サイトでは本作のカラオケを含む3曲の蔵出し音源を収録したスペシャルCDが購入特典として付属します。

BGM.「私の声を聞いて」松本伊代(2009)
作詞・作曲・編曲:尾崎亜美
CD15枚+DVD2枚のBOXセット『スイート16 BOX~オリジナル・アルバム・コレクション~』のボーナスディスクに新曲として収録された本作は2013年に配信でもリリース。川原さんのプロデュースにより、「シャイネス ボーイ」(84年)以来25年ぶりに尾崎亜美からの作品提供が実現しました。「新曲を作るなら川原さんにお願いしたい」。かつて担当したアーティストから、そう指名されたことがすごく嬉しかったと番組内で明かしてくれました。

03.「TVの国からキラキラ」松本伊代(1982)
作詞:糸井重里 作曲:筒美京平 編曲:鷺巣詩郎
81年、ビクターの制作部に異動した川原さんは先輩ディレクター・飯田久彦のアシスタントとして松本伊代を担当。3rdシングルの本作でディレクターとして一本立ちを果たします。アイドル然とした曲に興味がなかった川原さんは「なんでもありの精神でやった方がアイドルポップスの世界が広がって面白くなる」と発想。糸井重里による奇抜な歌詞も、鷺巣詩郎による賑やかなアレンジも、その方針を具現化したものでした。オリコン最高15位。

04.「気まぐれONE WAY BOY」The Good-Bye(1983)
作詞:橋本 淳 作曲:山本寛太郎 編曲:甲斐正人
ジャニーズ事務所とも多くの仕事をした川原さんですが、その第1号がThe Good-Bye。まず野村義男のソロアルバム『待たせてSorry』(83年6月)を手がけ、その3ヶ月後に本作をバンドデビュー曲としてリリースします。「音楽を聴く楽しさは、アーティストの成長物語を体験することにある」と考える川原さんはスタジオミュージシャンを使わず彼らの演奏でレコーディングを行なうことを決意。併せて曲づくりの技法も指導します。但しデビュー曲の本作は事務所の意向もあって、プロの作家を起用。演奏もスタジオミュージシャンが担当しています。オリコン最高9位。

BGM.「イエロー・サブマリン音頭」金沢明子(1982)
訳詞:松本 隆 作曲:Lennon-McCartney 編曲:萩原哲晶
“音頭好き”で知られる大瀧詠一が川原さんのアイデアをもとにプロデュースした作品。ビートルズが66年に発表した「イエロー・サブマリン」を“民謡界の百恵ちゃん”と言われた金沢明子が日本語でカバーして、大きな反響を呼びました。大胆なアレンジを手がけたのは、大瀧が敬愛するクレージーキャッツの楽曲を数多く作曲・編曲した萩原哲晶。伊藤銀次や杉真理、佐野元春など“NIAGARA TRIANGLE”のメンバーも参加しています。

05.「冬のリヴィエラ」森 進一(1982)
作詞:松本 隆 作曲:大瀧詠一 編曲:前田憲男
サントリー「ウインターギフト」のCM用に制作された本作はオリコン10位をマーク。森 進一にとって8年ぶりのトップ10ヒットとなりました。「演歌の森とナイアガラサウンド」という異色コラボの発案者はCMディレクターの川崎 徹。川原さんは森の担当ではありませんでしたが、大瀧のブレーンだったことから制作に関わり、このプロジェクトをきっかけに松本 隆とも親交を深めることになりました。

BGM.「筑紫哲也NEWS23のテーマ」井上陽水(1989)
作曲:井上陽水 トラックメイキング:大瀧詠一、平井夏美
川原さんが井上陽水と出会ったのは89年。筑紫哲也の新番組『NEWS23』(TBS系/89年~08年)のオープニングテーマを作るため、井上のスタッフから大瀧詠一にコーラスアレンジの要請があったことがきっかけでした。ナイアガラのスタッフとして制作に参加した川原さんは、ともに音楽的基盤がビートルズにあることで意気投合。その結果、ベーシックトラックは大瀧と川原、主旋律とボーカル(スキャット)は井上という貴重なセッションが実現します。新著の特別通販サイトでは本作を含む3曲の蔵出し音源を収録したスペシャルCDが購入特典として付属します。

BGM.「荒ワシの歌-YAHATA EAGLESのテーマ-」井上陽水(1990)
作詞:井上陽水、飯泉俊之 作曲:井上陽水、平井夏美 編曲:小野沢 篤、平井夏美
井上の長男が所属するリトルリーグの監督が「うちのチームの歌を」と井上に依頼したことがきっかけで誕生した曲。予算がないためシンセサイザーのみで制作したところ、保護者からも好評を得たといいます。本作も川原さんとの共作で、29thシングル「少年時代」のカップリングに収録されました。

06.「ON BED」荻野目洋子(1990)
作詞:井上陽水 作曲:井上陽水、平井夏美 編曲:小野沢 篤
20thシングル「ギャラリー」のカップリング曲。川原さんによると、当時のアナログシンセサイザーは1つの音を決めるまでに30~40分かかっていたことから、その間、井上と2人でピアノブースに入り、「ギャラリー」のレコーディング中に10数曲を共作したそうです。本作や「少年時代」、「Tokyo」など、井上のアルバム『ハンサムボーイ』(90年)に収録された楽曲はすべてこのとき制作されたもの。「ON BED」はA面とは対照的な、遊び心の溢れたアレンジが聴きどころです。

BGM.「忘れて・・・」中森明菜(1991)
作詞:中森明菜 作曲:羽佐間健二 編曲:小野沢 篤
関口誠人盤と競作になった26thシングル「二人静-『天河伝説殺人事件』より-」(作詞:松本 隆、作曲:関口誠人)のカップリング曲。作曲の“羽佐間健二”は川原さんの別名義です。松本の自宅で関口の曲を聴いた川原さんは「中森明菜に合うのではないか」と考え、関係者の了解を得たうえで当時の所属事務所に提案。急遽シングルとしてリリースされることが決定したため、中森が書きためた詞をもとにカップリング曲を制作したそうです。

07.「愛撫」中森明菜(1993)
作詞:松本 隆 作曲・編曲:小室哲哉
川原さんがプロデュースした15thアルバム『UNBALANCE+BALANCE』収録曲。TKブーム直前の小室哲哉に依頼したのは92年で、同アルバム収録の「NORMA JEAN」とともに早い段階でレコーディングを終えていたといいます。シングル化を前提とした楽曲でしたが、本人の希望もあって「Everlasting Love」がシングルに。しかし本作が有線放送でトップ3に入る好評を博したため、94年に28thシングル「片想い」(1994)のカップリング曲としてシングルカットされました。

BGM.「瑠璃色の地球」松田聖子(1986)
作詞:松本 隆 作曲:平井夏美 編曲:武部聡志
85年に結婚した松田聖子が活動休止中にリリースした13thアルバム『SUPREME』収録曲。音楽出版社から相談を受けた川原さんは松本 隆をプロデューサーに据え、制作に協力します。松本から「『瑠璃色の地球』というタイトルでいくからバラードを書いてほしい」と言われた川原さんは、そのタイトルから『イマジン』のように普遍性を持った曲にしなければいけないと考え、おそらくアルバムの最後を飾る曲になることも念頭に本作を書きあげたそうです。

08.「瑠璃色の地球(デモ音源)」平井夏美(1986)
作曲・編曲:平井夏美
新著の特別通販サイトのスペシャルCDに収録された貴重なデモ音源。シンセサイザーで作ったメロディに川原さんの♪ラララ~と止めの♪瑠璃色の地球~の歌声が乗っています『SUPREME』のプロデュースを手がけた松本 隆の要請で、後半のメロディの一部を変えたため、この音源では変更前のバージョンを確認することができます。

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