看護師が知っておきたい専門知識~滴下計算が簡単にできる裏技式

「滴下数の計算が苦手」という新人看護師は多い。最初は苦手意識を持っている人がほとんどといってよいだろう。たった2つの式を知っているだけで、専門知識を持った先輩看護師たちのように、サっと滴下数の計算ができるようになる。

点滴の輸液セットは、「成人用輸液セット」と「小児用輸液セット」の2種類だ。
小児用は子供だけでなく、1時間あたりの輸液量が少なければ大人にも使用する場合がある。目安は、1時間あたりの流量が60mlより多いと「大人用輸液セット」、60mlより少なければ「小児用輸液セット」となる。あくまでも目安なので、判断に迷ったら専門知識のある先輩に相談するのがベストだろう。

成人用輸液セットの特徴は、20滴が約1mlであること。小児用輸液セットは60滴が約1mlと覚えておこう。
成人用輸液セットの場合、滴下計算裏技の式は【1分間の滴下数=1時間の投与量(ml)÷3】となる。
小児用輸液セットの滴下計算式は【1分間の滴下数=1時間の投与量(ml)】である。
この2つの計算式だけ覚えれば、簡単に滴下計算ができる。

実際に例をあげると分かりやすい。
500mlの点滴を5時間で落としたい場合、1分間の滴下数はいくつになるか計算してみよう。
使用するのは、成人用輸液セットだ。
この場合、5時間で500mlは1時間で100mlなので、100(1時間の投与量)÷3=33.333…で、1分間の滴下数は四捨五入して33滴となる。
この式を使えば、簡単に滴下数が計算できるはずだ。